形骸化させない「相談窓口」の設置方法|外部窓口の活用と、看護部長・事務長のヒアリング手順

形骸化させない「相談窓口」の設置方法|外部窓口の活用と、看護部長・事務長のヒアリング手順

「相談窓口なら、もう就業規則に載せています」。 そうおっしゃる病院は少なくありません。   しかし、実態を示すデータがあります。 UAゼンセン・ヘルスケア労協の調査(2023年、有効回答7,164件)では、迷惑行為への相談先として「勤務先の相談窓口」を選んだ人は、わずか2.3%でした。 多くの方が実際に頼っているのは「同僚や先輩」(78.5%)や「上司や管理職」(58.9%)です。 さらに、相談窓口が「あるかどうかわからない」と回答した人は57.7%にのぼります。  ...
患者・ご家族へ向けた「カスハラ基本方針」の策定手順とホームページ・院内掲示での掲示例

患者・ご家族へ向けた「カスハラ基本方針」の策定手順とホームページ・院内掲示での掲示例

「基本方針」と聞くと、当たり障りのない一般的な文言を並べただけの、形式的な文書だと思われがちです。 しかし、実際の裁判例(東京地裁 平成30年9月3日判決)では、顧客対応のマニュアル整備や相談体制の構築を行っていた事業者について、安全配慮義務を尽くしていたと評価され、責任を問われなかった例があります。 基本方針は、単なる建前ではなく、いざという時に病院を守る記録にもなります。 同時に、「何かあったら組織が対応してくれる」という安心感を、日々患者様と向き合うスタッフに与える、実務的な効果も持っています。  ...
【就業規則・服務規律の改定】カスハラからスタッフを守る&自院スタッフの加害を防ぐ院内規程の条文例

【就業規則・服務規律の改定】カスハラからスタッフを守る&自院スタッフの加害を防ぐ院内規程の条文例

就業規則の見直しをご相談いただくとき、多くの場合「患者様・ご家族からスタッフを守るため」という視点だけで話が進みます。 しかし、医療機関は医薬品卸、給食委託業者、清掃業者など、多くの外部業者と日常的に取引をする「顧客」の立場でもあります。 用度課や経理担当者が業者に対して行う言動が、逆に相手先の従業員へのカスハラになってしまう可能性があることは、意外と見落とされがちです。 今回は、就業規則・服務規律の改定について、この両方の視点から整理します。   就業規則の改訂は必須なのか...
患者・ご家族からの正当な指摘とカスハラの境界線|「要求内容」と「手段・態様」で見分ける3つの判断基準

患者・ご家族からの正当な指摘とカスハラの境界線|「要求内容」と「手段・態様」で見分ける3つの判断基準

「これはカスハラなのか、それとも正当なご指摘なのか」。 この判断に悩む場面は、現場で少なくありません。 不思議なもので、この判断の難しさは、要求の内容そのものよりも「その場の気まずさ」に引きずられがちです。 強い口調で言われると、内容の当否にかかわらず「困った要求だ」と感じてしまう。 逆に、物腰は穏やかでも、内容として明らかに行き過ぎている要求を、つい受け止めてしまうこともあります。 「不快に感じたかどうか」は、実はカスハラの判断基準そのものではありません。  ...
【2026年10月義務化】病院・クリニックも対象|労働施策総合推進法改正で求められるカスハラ対策の全体像

【2026年10月義務化】病院・クリニックも対象|労働施策総合推進法改正で求められるカスハラ対策の全体像

「そろそろカスハラ対策の準備をしましょう」とお伝えすると、人事担当の方から「お任せします」という言葉が返ってきました。 同じハラスメントでも、パワハラであれば、人事担当者自身が社内の人間関係の中で当事者性を持ちやすく、「自分たちの問題」として捉えやすいものです。 ところがカスハラは、日々患者様やご家族と直接やり取りするのは看護師やスタッフであり、人事担当者自身が矢面に立つ機会はほとんどありません。 だからこそ「現場の話」として距離を感じてしまい、「(専門家に)任せる」という反応につながりやすいのだと思います。  ...